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Dance with me /水鏡 〜受け継がれるもの〜

Yambaru Art Festival 2024-2025, Okinawa, Japan



沖縄本島北部、やんばる。
豊かな水源と燦々と降り注ぐ光に育まれ、
世界でも類を見ないほど彩り豊かな生態系を残した手付かずの自然が広がっています。

やんばるが持つ重要なエレメントでもある「水」と「光」は、
人間の生命にも不可欠でもあるにも関わらず、
時代の流れとともにごく当たり前の存在となり、
その存在感が薄れつつあると共に、
私たちの精神性も揺らいでいるように感じます。

沖縄の万葉集とも呼ばれた『おもろさうし』の中には多くの水に関する記述が見られます。
また、かつての琉球王国や王が太陽に例えられ、
沖縄各地に太陽信仰の御嶽や拝所が存在することから、
水と光は沖縄の人々の間で特別なものとして捉えられていたと思われます。

やんばるでは人々の暮らしの場を、
海と山を含めたより大きな視野で捉える空間認識が見られ、
自然崇拝的な信仰思想に基づく祭祀(400年余り続く、
安田地区の『シヌグ』は、
山の神、海の神双方に拝む/ウガンという大変珍しい祭り)が今でも行われ、
暮らしと聖地とが共存しています。

一見ばらばらに存在し、
散らばっているように見える世界をひとつとして捉える連続性と広がりのある見方は
とても瞑想的であり日本的な感覚でもあります。
個々の存在を認識しながらも、
大きな視点で物事を捉えるそんな自由自在な意識、認識が、
やんばるには漂っているような気がします。

AI時代と言われ、
個人の趣味嗜好がパーソナライズドされて提供される時代、
私たちは異なるものの見方を受け入れるどころか、
実際は限られた世界のみを受け入れ、
限られた視点で物事を見ることが当たり前となっています。
多種多様な文化を融合させ、独自の文化を築いてきた沖縄。
やんばるには有形無形の原初の風景が残され、山川草木、
自然の姿そのものに時間的、
空間的に積み上げられた人々の記憶と歴史、
空気感が連綿と受け継がれ、
そしてそこには人の姿があります。
この壮大な美意識のようなものが、
これから世界規模で必要とされ再発見されていくのではないかと考えています。

鏡のような存在の水は、
世界を映し出している光を吸収、
反射することで私たちに様々な世界を見せてくれます。
姿形を変えながら水が循環するさまや、
水と光が育んだやんばるの美しい景色、
そして受け継がれてきたものに感謝をし、
それをまた継いでいく姿など、
連想ゲームのように「有形無形のものが、共に手を取り合ってこの世界で踊っている」
そんなイメージを作品に重ねました。

展示日程 : 2024/12/14sat-2025/2/24mon
会場 : オリエンタルホテル 沖縄リゾート&スパ

Music : Harikuyamaku Dub
Co-worked : Sakishiraz  
Special thanks : Jungle studio

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